地域連携・キャリア開発センター
看護学教員養成課程


群馬立県民健康科学大学では、平成24年度より「看護学教員養成課程」を開設し、看護学教育に必要な基礎的能力を兼ね備えた看護師養成教育機関の教員、もしくは臨床現場で教育的役割を担う教育担当者を育成しています。本課程は、大学の教育理念に基づき独自の統合カリキュラムを編成し、大学看護学部の教育と連動して教育を提供しています。また、厚生労働省による専任教員養成講習会の認定を受けています。
教育目的は、看護学教員としての責務を自覚し、科学的根拠に基づく実践(EBP)の実践能力を備えた学生の育成に向け、看護学教育の動向を視野に入れ、看護学教育に必要な知識・技術・態度を修得し、看護及び看護学とその教育の充実、発展、革新に向け推進する人材を育成することです。

サブビジュアル1  サブビジュアル2

概要
▶特色
本課程は、大学の教育理念に基づき独自の統合カリキュラムを編成し、教育を展開しています。本課程の最大の特徴は、大学看護学部の看護基礎教育と連動している点にあります。看護学部がバックアップ体制を整え、大学の学習環境を最大限に活用して、実際の看護基礎教育の現実を身近に感じられるダイナミックな授業を展開しています。これにより、本課程生は、学習した知識と教育実践のつながりをもちながら、1年間学習することを通して、看護基礎教育・看護継続教育の実践に必要な能力を確実に修得しています。この能力は、看護学教育を目指す看護職者だけでなく、病院の実習指導者や院内教育担当者など、学生や後輩看護師教育に携わる看護職者にとって教育実践上の基盤になります。
▶養成課程のあゆみ
2012年 4月 群馬県立県民健康科学大学地域連携センターに開設される
2018年 4月 大学院看護学研究科博士前期課程「キャリア開発コース」開設に伴い、大学院への進学の道が開かれる(10単位を既修得単位として認定)
  • 本課程は、厚生労働省による専任教員養成講習会の認定を受けています。
  • 本課程は、厚生労働省教育訓練給付金(一般教育訓練)講座の指定を受けています。
  • 「キャリア開発コース」
    大学や専門学校など看護基礎教育機関の看護学教員として必要な教育実践力、または、教育管理責任者として必要な組織運営力を担える人材の養成を目指すコースです。
2019年 公益財団法人大学基準協会による大学認証評価において、極めて高い評価を受けました。
授業の様子
▶看護教育学授業展開論Ⅰ・Ⅱ
看護学教育授業展開論Ⅱ(講義)では、講義を受けた後、看護学部学生に提供されている授業を参加観察します。その後、看護学の講義の特徴、授業設計とその展開について学習します。また、看護学教育課程論とこの科目の学習成果を基に、実際に講義の授業設計・模擬授業を行います。
看護教育学授業展開論Ⅰ・Ⅱ 看護教育学授業展開論Ⅰ・Ⅱ
看護教育学授業展開論Ⅰ・Ⅱ▶看護学教育授業展開論Ⅲ 演習 模擬授業
看護学教育授業展開論Ⅲ(演習)の講義を受けた後、看護学部学生に提供されている授業をその演習の前提となる講義も含めて参加観察します。その後、看護学演習における「教授=学習活動」の特徴、学生の主体的学習を促すための授業設計について学習します。また、この学習成果と教育実習での経験を基に、実際に技術演習の授業設計・模擬授業を行います。
看護学教育授業展開論Ⅲ 看護学教育授業展開論Ⅲ
在学生・修了生の声
▶在学生の声
  • 「看護の楽しさを伝えたい」と思い、教員になることを決意し、准看護学校で勤務して5年目になります。臨床実習指導者としての経験はあるものの、看護師を目指す人を育てるということは経験がなく、日々学生と接する教育活動の中で、「こんな時はどうすればよいだろう?」「何が正解だったのか?」「本当にこれでよかったのだろうか?」と、指導や教育することの意味を考える機会が多くなっていきました。そして、大きな責任を伴う教員という仕事を、自分らしく自信を持って学生と接し、共に成長し続けたいと思い、この看護学教員養成課程に入学することを決めました。今まさに、久しぶりに講義を受けて、学生の立場になってみて、なんと刺激の多い日々を過ごしているのかを実感しています。学生の立場にたつことで、授業の中にたくさんの仕組みやからくりが盛り込まれていて、授業にのめり込む自分がいることに気づかされます。そして、ここで出会った仲間と共に成長できる機会を、研鑽を積む充実した日々を、大切にしていきたいと思っています。                                        (Y・Sさん)
  • 私は現在、病棟に勤務しています。病棟では、後輩指導や看護学生への実習指導、また看護学校で非常勤講師を務めるなど看護教育に携わってきました。3年前に実習指導者講習会で学ぶ機会があり、自分の教えられた経験から教えるのではなく学生の特性を捉えて、効果的な実習につながるようなスキルや考え方を学び、学生を支援する際にそれを実践してきました。しかし、授業の方法は分からないままでした。手探りで授業を行うことが学生に申し訳ないという気持ちはありましたが、どうすればいいのかわからず悩んでいました。今回、看護学教員養成課程で学びの機会を得たことで、自信を持って授業展開ができるようになることを目標に日々学ぶことを楽しんでいます。日頃、患者さんを理解するために、私たちはどんな努力も惜しみません。今度はその対象が学生となり、学生を理解するための発達段階や看護学生特有の課題などを踏まえ、学生が目標を達成できるように教員に必要な知識・技術・態度を修得したいと思っています。また、同じ目標を持った仲間がいる今の環境はとても心強く、学びを一層深いものへとしてくれます。そして、講師の先生方の様々な考え方に触れ、看護学や教育学の奥深さに、感心する毎日です。本課程を終えた頃は、今とは違ったものの考え方や捉え方になっているかと思います。今は、それが何よりも楽しみで原動力となっています。                                         (R・Tさん)

▶修了生の声
  • 私は現在、臨床で看護学生の実習指導に携わっています。この看護学教員養成課程で、看護学校の教育の仕組みや考え方、教授活動を学んでから、私自身の実習指導に対する取り組み方が変わりました。講義・演習・実習の繋がりをもった教育の重要性を認識することができました。また、学生が講義・演習で学んだ知識・技術・態度を、実習の中で、対象の特徴と結びつけながら看護を実践していけるように支援する重要性を学ぶことができました。学習した成果を活用して実習指導に携わることは簡単ではありませんが、学生が目標達成できるよう支援していきたいと思っています。実習指導者として、自己の看護観と教育に対する信念をしっかり持ち、未来の看護師育成のために、これからも日々自己研鑽していきたいです。
    9期生 病院の実習指導者を継続している T・Nさん
  • 私は、臨床から異動し看護学校の教員を務めた 1 年間、何を頼りに授業を行えば良いのかも分からず、教科書に書かれていることをただ伝えることに集中していました。この看護学教員養成課程を受講し、授業は学習者と教授者が知的対決を展開する過程であり、教育目標の達成を目指して行うことであると学びました。ここで学んだことが、日々学生と関わる上での道標になっています。今後も、「信念をもって教授活動を行わなければ学生には伝わらない。」をモットーに、学生と知的対決を行っていきたいと考えています。
    8期生 看護師養成教育機関の教員を継続している H・Kさん
   
よくあるご質問
Q.非常勤の場合も、経験年数に含まれますか。
A.含まれます。下記の計算例を参考にして、合計5年以上の看護業務経験を確認してください。計算例:非常勤として、1日6時間、週3日で1年間勤務した場合
6時間×3日×52週=936時間(年間)
8時間×5日×52週=2080時間(年間)
936時間÷2080時間=0.45年      経験年数は、0.45年となります。
Q.授業料の他に、費用はどの位かかりますか。
A.教科書・参考書代(約90, 000円)、交通費等がかかります。学習をするうえで、ノートパソコンは必須です。
また、研修に専念するため、12カ月間の生活費を見込んでください。
Q.アルバイトをしながらの受講は可能ですか。
A.アルバイトしながらの受講はかなり難しいです。研修を終了するには、勉学に専念する環境が必要です。
Q.パソコンの操作は、どの程度必要ですか。
A. Excel・PowerPoint・Wordの基本操作ができることが望ましいです。