診療放射線学研究科
在学生の紹介

博士前期課程

「MRIの奥深さに魅せられて―研究を通じた成長と挑戦―」
診療放射線学研究科 診療放射線学専攻 放射線画像検査学分野|鈴木 智也さん
 本学の診療放射線学部を卒業後、地元の公立病院に診療放射線技師として就職し、約10年間勤務しています。業務の中ではMRI検査や血管造影検査に従事する機会が多く、脳神経領域をはじめとした幅広い診療科の検査に携わっています。そんな中、磁気共鳴専門技術者の資格を取得したこときっかけに、MRIの奥深さに魅了され、より専門的な知識を深めたいと考えるようになりました。特に、MRIの撮像技術に関心を持ち、研究を通じて理論的な理解を深めるとともに研究手法を体系的に学びたいと考え、大学院への進学を決意しました。

 現在の研究では、MRIの造影剤を使用したMRDSA(MR Digital Subtraction Angiogfraphy)を用いて脳の血行動態を評価し、血管造影検査との比較を行っています。血管造影検査は診断能の高い画像が得られる反面で、他検査と比べると侵襲度が高く、患者への負担が大きいという問題点があります。そこで、MRDSAによる血行動態評価の有用性を示すことで、低侵襲な検査法としての可能性を探ることを目指しています。

 今後は、本研究を通じて研究手法を確立し、MRIへの理解をさらに深めていきたいと考えています。そして、MRDSAをはじめとする撮像技術の有用性を実際の臨床現場に示し、診断や治療に貢献できるような研究を続けていきたいです。MRIの可能性を追求し、より安全で有用な検査技術の発展に寄与できるよう努力していきます。

 博士後期課程

「研究者として高度な専門性の取得と、社会への還元を目指す」
診療放射線学研究科 診療放射線学専攻 放射線画像検査学分野|池本 裕貴さん
 私は本学診療放射線学部を卒業後、病院へ就職し4年間の臨床経験を踏まえて本学大学院博士前期課程へ進学してきました。大学院在学中も病院勤務は変わらず行っています。仕事と学業の両立は苦労する部分もありますが、職場の方々の支えや先生方の熱心なご指導もあり、充実した学生生活を送っています。

 博士前期課程では研究者としての基礎的能力の取得を目標に授業や研究を通して様々なことを学んできました。その中で、さらなる知識の取得や次世代への教育について学びたいと強く思うようになり、これが博士前期課程に進学する大きな動機になりました。

 私は学部から大学院まで一貫して医用画像の持ちうる特徴を定量評価するTexture解析に関わる研究を行っています。具体的には画素値のみでは表現できない画像の質を、機械学習を用いて定量評価することで、疾患や病態を予測する研究です。この研究領域は様々なモダリティで利用可能であり、一度技術や知識を取得すれば大きな力となります。実際に私は今までXPやCT、MRI、RIの領域でこの研究を行ってきました。博士後期課程ではこの研究領域が持ちうる可能性をさらに模索していきたいと考えています。

 医療を取り巻く環境は日々変化していますが、今後は専門性や積極性が一層重視されるようになると私は考えています。その中で私自身も理想とする医療者、研究者、教育者に少しでも近づけるよう努力を積み重ね、医療の発展に寄与できるよう貢献していきたいと考えています。