世の中には様々な情報があふれ、情報の入手も発信も様々な手段や方法があります。健康に関する情報も多種多様です。そこで、信頼できる情報を適切に活用するために１冊ご紹介します。
　著者の佐々木氏は、根拠に基づいた栄養学（Evidence-based Nutrition：EBN）を提唱している「栄養疫学」の研究者で、「健康栄養リテラシー」の必要性を述べています。本書は、生活習慣病や食生活に関わる世界の研究論文を引用しながら、身近な食べ物や食事と健康のつながりを題材に、研究結果（特にグラフ）の読み方をわかりやすく解説しています。問いと共に多くのグラフが掲載されており、答えを考えながら読み進めていくうちに情報の捉え方（着眼点）や考え方のコツが会得できると思います。データベース（PubMed）を用いた文献検索の例もあり、身近な話題を科学的に思考するために研究論文を活用する方法も参考になります。

看護学部　助教　大澤　康子　（請求記号　498.55　ｻ）