群馬県立県民健康科学大学 > 学生に読んでほしい本 > こころの処方箋 河合隼雄 新潮社 1992年【2011年推薦】
こころの処方箋 河合隼雄 新潮社 1992年【2011年推薦】
私たちは、人、物、金、自我に巡る紛糾の中でしばしば自分を見失うことがあります。そして、心のバランスを崩し泣きたくなることもあります。そんな時に、何かを求めるように手にした本です。
著者は、「『人の心などわかるはずがない』そんなのは当たり前のことである。しかし、そんな当然のことを言う必要が現在にはあるのだ」と述べています。本文は、短い一章一章で綴られ55章からなります。例えば、「21章、物事は努力によって解決しない」「27章、灯を消すほうがよく見えることがある」「32章、うそは常備薬、真実は劇薬」など、経験談を交え惹きつけられる内容で語っています。筆者の言う常識が私たちの言動を意味づけ、新たな行動力を生み出してくれるのです。自分の価値観や固定観念の拘りを破り、新たな視点で「なるほど!」「そうだ!」と納得し、張りつめた心の緊張を解してくれます。「自分を振り返りたい」「疲れた」と思ったら、ぜひ読んでみてはいかがでしょう。
看護学部 講師 酒井美子 (請求記号 140.4 カ)
2011年07月25日