群馬県立県民健康科学大学 > 学生に読んでほしい本 > 自宅でない在宅 : 高齢者の生活空間論 外山義【著】 医学書院 2003年【2018年度推薦】
自宅でない在宅 : 高齢者の生活空間論 外山義【著】 医学書院 2003年【2018年度推薦】
将来高齢になり、介護が必要になったとき、みなさんはどこで暮らしたいですか?「住み慣れた自宅」でしょうか?
この本の筆者は医療や介護の専門家ではなく建築家です。医療・介護の世界では常識とされることに対し、客観的にそれがいかに高齢者の元の日常からかけ離れているものであるかを鋭い視点で捉え、生活環境が人に与える影響について科学的に述べられています。また、現在推進されている特別養護老人ホームでのユニットケアやグループホームの環境づくりの元となる取り組みについても紹介されています。
生き生きとその人らしく暮らせる環境があれば、年を取っても、障害があっても人間は新しい場所で根をはり、輝きを取り戻すことができることをこの本から学ぶことができます。
残念ながら著者の外山義先生は52歳の若さで急逝され、続編を読むことはできませんが、発行から15年以上経過しても私たちに新鮮に、辛辣に呼びかけてくる内容になっています。
看護学部 講師 戸谷 幸佳 (請求記号 369.26 ト)
2019年02月28日