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女に 谷川俊太郎 佐野洋子絵 マガジンハウス 1991年
谷川俊太郎の多種多様な作品の中から、私の大好きな詩集を一冊ご紹介します。
極めてシンプルな言葉と絵が、力強く豊かな世界を描き出しています。気に入った一篇、フレーズはぜひ音読を。ちょっと本を離して、文字と線を眺めるのもおすすめ。さらに、芸術家は、人間の発達段階各期の身体と生活の特徴を巧みに表現しています。自分や身近な人を詩と重ね合わせると、まるで一生分のアルバムを見ているよう、というと、大げさでしょうか。この詩集は、詩人が60歳の時の出版です。画家は、絵本『100万回生きたねこ』やエッセイでも知られる佐野洋子氏。作品の背景にある作者自身を知ることも、私の楽しみ方の一つです。また、作者らは、それぞれ数多くのバラエティに富んだ作品を発表しているので、この一冊が好みに合わない方にも、魅力を感じる作品がきっとあるはず。そんな作品にであったら、あなた自身のやり方で、思う存分楽しんでください。
看護学部 准教授 岩波浩美 (請求記号 911.56 タ)
2012年10月05日