本書は、終末期患者の「最後の願い」を叶えようとする病院を舞台としたドキュメンタリーを書籍化したものです。
　「あと一週間しか生きられないとしたら、あなたは何をしたいですか？」という読者への問いかけから始まり、余命を告げられた患者６人の「最後の願い」とその願いを叶えようとする医療従事者の献身的な支援活動が綴られています。
　「最後の願い」一つひとつに、患者や家族、それを叶えようとする医療従事者の思いが沢山詰まっています。患者や家族が何を望み、何を求めているか、それに対して医療従事者ができることは何かということを感じることができます。
　余命を告げられた患者と医療従事者とのやり取りを通じて、患者に寄り添う医療とは何か、人間らしい医療とは何かということを考えるきっかけになるのではないでしょうか。
　医療従事者を志す本学の学生にとって、理想の医療・理想の医療従事者像の参考になれば幸いです。

診療放射線学部　助教　米持圭太　（請求記号　490.15　テ）