群馬県立県民健康科学大学 > 学生に読んでほしい本 > これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学 マイケル・サンデル著、早川書房、2010年【2024年度推薦】
これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学 マイケル・サンデル著、早川書房、2010年【2024年度推薦】
マイケル・サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』は、医療現場で直面する倫理的課題を考える上で欠かせない一冊です。本書は功利主義やカントの義務論、アリストテレスの徳倫理を平易に解説しながら、限られた資源の配分、個人の自由、公共の善といったテーマを具体的な事例で掘り下げています。医療職においては、患者一人ひとりの尊厳を守りつつ、限られた時間や資源の中で公平で適切な判断が求められます。本書の議論は、こうした倫理的ジレンマに直面した際に何を大切にすべきか、またどのような基準で判断すべきかについて深く考える機会を提供します。倫理的知識を得るだけでなく、自らの価値観を問い直し、医療者としての判断力と責任感を養う一助となるでしょう。看護や診療放射線の専門職を目指す皆さんにとって、本書は倫理的判断を実践的に考えるための道標となるはずです。ぜひ手に取り、日々の学びに活かしてください。
診療放射線学部 教授 佐藤 哲大(請求記号 311.1)
2025年02月28日