1985年8月12日、群馬県・御巣鷹山に日本航空123便が墜落しました。私は小学生でしたが、墜落現場が群馬県であったことや、連日の報道の様子から重大事故が起こったことを理解し、衝撃を受けたことを覚えています。そして月日がたち保健師として就職した頃にこの本と出合いました。
　この本は、当時、遺体の身元確認の責任者として最前線で捜査に当たった著者が体験した、全遺体の身元が確認されるまでの127日間の記録です。そこには凄惨な事故現場がリアルに記されていました。あまりにリアルなので、皆さんの中には最後まで読み進められない方もいるかもしれません。でも、遺族の悲しみや怒り、著者や派遣されている日本赤十字社の看護師たちの様々な思いや高い職業意識に触れることができます。一読すればきっと何かを与えてくれると思います。是非、手に取ってみてください。

看護学部　講師　塩ノ谷　朱美（請求記号　369.7）