群馬県立県民健康科学大学 > 学生に読んでほしい本 > 放射線と健康  舘野之男  岩波書店  2001年
放射線と健康  舘野之男  岩波書店  2001年

 本書は、1974年「放射線と人間−医学の立場から−:岩浪新書」を全面的に書き直され、2001年に発行されたものである。第一章「放射線とはなにか」、第二章「放射線を測る」、第三章「日常の放射線」では、放射線の発見と分類や単位、放射線防護で実効線量を用いる意味、ヒトと自然放射線の関わりなどが分かり易く書かれている。第四章「放射線障害」、第五章「遺伝的影響と発がん」では、放射線の確率的影響は、遺伝的影響と発がんの二つを考えていたが、近年の国際防護委員会(ICRP)は発がんを重要視していること、被ばくから発がんに至るまでの機序が分かり易く書かれている。第六章「放射線障害から見た医療」では、医療放射線被ばくの問題点の変質が詳しく書かれている。本書は、放射線障害の歴史や考え方の変遷を知ることができる。また東京電力福島原発事故を経験して、放射線に対する漠然とした不安解消の一助となると思う。
診療放射線学部 教授 河原田泰尋  (請求記号 081 イ)

2012年10月05日

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